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OTが実践!小動物のケージを撤廃したバリアフリー&放し飼い環境

ペットを飼育していると思わぬ怪我や病気、高齢化などによって飼育環境を調整する必要が出てくることがあります。

高齢化であればゆっくりと進行していくので、少しずつペットの体調や運動能力に合わせて環境調整を行っていけばよいのですが、怪我や病気の場合は、急に環境調整をせまられることも…。

我が家の場合は、モルモットの「しゅんたくん」の椎間板ヘルニアとうさぎの「きなこくん」の病気がほぼ同じ時期に発症したため、急遽飼育環境の調整をせまられました。

現在では、かなり状態は良くなっていますが、しゅんたくんは後ろ足に機能の低下があり、きなこくんは斜頸が残ってしまったため、転倒することがあります。

また、モルモットの「ひよりくん」も、高齢化により運動機能が低下し、みんな揃って段差の乗り越えが苦手になってしまいました。

結果、これまでの飼育環境下では移動が困難なケースが増え、運動量がめっきり低下してしまったのです。

他の家族は、怪我や病気の後遺症や加齢による運動機能低下であれば仕方ないと考えていました。

しかし、作業療法士(OT)として人間のリハビリや環境調整を行ってきた筆者としては、運動量低下と生活範囲の狭小化による2次的な健康被害、愛するペットのQOL(生活の質)をどうやって守るかは放置できない大きな課題でした。

そこで、家族に了承を得たうえで、これまでの飼育環境をがらっと変えてしまうことにしました。

試行錯誤の末、我が家が最終的に行き着いたのは「ケージを撤廃し、部屋の半分にバスマットを敷き詰めた放し飼い」という究極のバリアフリー環境です。

この記事では小動物のケージ選びに悩む飼い主さんへ向けて、我が家が放し飼いに至った経緯と作業療法士視点で考えて調整した飼育環境、その結果として起きた変化についてリアルな実体験をお届けします。

怪我や病気、高齢化によりペットの飼育環境の調整に悩んでいる飼い主さんのヒントになれば幸いです。

結論:放し飼いで環境はどう変わる?障害の壁は越えられるか

モルモットとうさぎ、おやつを食べている。

結論から言ってしまうと「段差をなくしてバリアフリー化し、放し飼いにしたことでモルモットやうさぎの生活は劇的に変化しました。」

特にヘルニアの後遺症や高齢化による「段差を乗り越えられない」という問題は、ケージをなくすことで完全にクリアできました。

足腰への負担が減ったことと飼育スペースが広がったことで、しゅんたくんもきなこくんも自分のペースで部屋をトコトコ歩き回れるようになり、表情もイキイキとしています。

また、しゅんたくんときなこくんの活動につられて、ひよりくんも積極的に活動する姿が見られるようになりました。

このことから、今回の飼育環境調整は大成功といえるでしょう。しかし「すべてが完璧」というわけではありません。

うんちやおしっこによる、飼い主の布団や床の汚染、ニオイや牧草の塵、抜け毛の散乱など、バリアフリー化と引き換えに新たな問題が発生したことも確かです。

我が家が「放し飼い」を始めるまでのケージ変遷

我が家では、最初から放し飼いをしていたわけではありません。ペットたちの成長と体の状態に合わせて、我が家の環境は3つのステップを踏んできました。

多くの方と同じように、モルモットもうさぎも当初は、教本やインターネットで紹介されているケージを使用して個別に飼育していました。

しかし、彼らの成長に伴い、はじめに購入したケージでは、手狭に感じるようになったので、犬用のケージを2つ連結してモルモット3匹とうさぎ1羽を一緒に飼育することにしました。

それから、数年はその環境を微調整しながら飼育を続けていたのですが、しゅんたくんときなこくんの病気を発症したことで、今回のバリアフリー化と放し飼いを決意することになります。

犬用のケージを連結して使用する環境は、モルモットやうさぎを飼育するには、十分な広さを確保できていました。

しかし、ケージ内にハウスや牧草ケース、水飲みなどを設置していることと、2つのケージの台座になるパレットを繋げていたことで、随所に段差ができていたのです。

しゅんたくんは、椎間板ヘルニアを発症し一時は全く動けない状態になり、服薬とリハビリによってかなり状態が改善しましたが、後ろ足の動作が困難らしく、段差に近づかなくなりました。

また、きなこくんも斜頸が残ったことで転倒することが増えました。日によって状態は変化するものの、段差を意識すると動作がぎこちなくなり転倒してしまう場面が散見されるようになったのです。

このような状況に加えて、モルモットのひよりくんも加齢により運動量が低下。

しかも、しゅんたくんやきなこくんの活動量が減少したことで一緒に行動する機会もなくなり、ハウスから出て来なくなってしまいました。

これまでのモルモット飼育の経験上、運動量が低下すると、食欲の低下を招き、食事量が減少することは簡単に予測できました。

小動物の食事量が減少すると、そのまま命の危険に直結します。このため、少しでも運動機会を増やせるように飼育環境を早急に改善する必要が出てきたのです。

3つのステップ

  1. 小動物用ケージ時代(手狭さに限界を感じる) お迎えした当初は一般的なうさぎ・モルモット用のケージを使用していました。しかし体が大きくなるにつれて明らかに狭そうになり、のびのびと足を伸ばして寝るスペースが不足していると感じるようになりました。
  2. 犬用大型ケージ時代(広さは解決したが段差がネックに) そこで広さを求めて導入したのが犬用の大型ケージです。空間は広くなり運動量も増えましたが、ここで「老い」と「病気」の壁にぶつかります。犬用ケージは入り口の段差が高く、ヘルニアになったしゅんたや高齢化してきた子たちにとって、出入りのたびに腰へ大きな負担がかかる危険な障害物になってしまったのです。
  3. バスマット放し飼い時代(究極のバリアフリーへ) 段差の危険を完全に排除するため、ついにケージの底網や囲いを取り払う決断をしました。室内の半分をサークルで囲い、床全面に柔らかな素材を敷き詰める「放し飼いスタイル」の完成です。

放し飼いのメリット・デメリット

実際にこの環境で生活してみて感じたリアルなメリットとデメリットをまとめます。

【メリット】

放し飼いの結果、夜間に飼い主の様子を見に来るうさぎ。
部屋んぽ中のデグー。モルモットのひよりくんが大好きらしい。
掃除後のおやつタイムのモルモットとうさぎ。

段差がなくなったことで足腰への負担が最小限になり、広々と走り回れるためペットのストレスが激減しました。

きなこくんは、転倒の回数が目に見えて減少し、もし転倒しても活動スペースの広い範囲にタオルや布団が敷かれているので怪我に繋がる危険を軽減できています。

また、ケージの金網を噛むことがないので「不正咬合」のリスクが減少したことも思わぬ効果です。

なにより、私たち飼い主と同じ目線で生活できるので、コミュニケーションの機会が増えたことで、これまで以上に彼らと仲良くなれたことが実感できているのも嬉しいメリットと言えるでしょう。

放し飼いのメリット

  • ペットの生活スペースが広くなり、ストレスが減少する。
  • ケージの金網を噛まなくなるので不正咬合のリスクが減少する。
  • 飼い主との接触が増えて、より仲良くなれる。

【デメリット】

床にうさぎの毛やチモシーの屑が散乱している。

もともと、モルモットやうさぎの活動量増加と転倒による怪我の予防が目的の環境調整のため、正直なところデメリットも数多くあります。

まず、一番重要なデメリットがモルモットやうさぎを踏んでしまう危険があることです。

部屋全体が彼らの活動スペースになっているため、思いもかけない場所に潜んでいることもあり、足元への注意は欠かせません。

万が一ですが、人間用の布団にモルモットやうさぎが潜り込んでいることがあるので、室内の移動は基本的に『すり足』で行うことになります。

また、モルモットもうさぎも狭い場所に入り込むのを好むため、衣装ケースの横にあるすき間や冷蔵庫の裏などに入り込まれないように対策しておかないと思わぬ事故につながりかねません。

室内にある電気コードの保護も絶対に必要です。油断していると、ありとあらゆるケーブルを噛みちぎり、家電の損傷に加え感電による命の危険も発生します。

これらの命にかかわる危険以外にも、行動範囲が広がるため粗相をした時の掃除エリアが広くなることや人間の居住スペースが削られること、クッション材代わりに一部、布団を敷きっぱなしにしているので、布団の汚染が酷いなどが挙げられます。

さらに、空間がオープンなため「抜け毛」や「牧草の粉」が部屋中に散乱しやすいといったデメリットもあります。

放し飼いのデメリット

  • 踏み付けの危険がある。
  • 狭いスペースに侵入する危険がある。
  • コード齧りの危険がある。
  • 掃除の範囲が広くなる。
  • 人間の生活スペースが狭くなる。
  • 抜け毛や牧草の粉が部屋に散乱する。
  • 布団が不衛生になりがち。

作業療法士が実践!安全な「バスマット放し飼い」環境の作り方

飼育環境をバリアフリー化して放し飼いするには、モルモットやうさぎを、ただ床に放せばいいわけではありません。

フローリングの床はツルツル滑って関節に致命的なダメージを与えますし、転倒の際の怪我の原因にもなります。

OTの視点で「床の柔らかさ」と「温度管理」にこだわった我が家の工夫をご紹介します。

床面

ケージを取り払ったスペースの全面に「マイクロファイバーのバスマット」を敷き詰めました。

マイクロファイバーバスマットは、モルモットやうさぎの足に優しく、汚れても洗濯して部屋干しすれば綺麗になるので衛生的にも最高です。

ただし、モルモットやうさぎによっては、マイクロファイバーの毛足をかじって飲み込んでしまい、腸閉塞を起こすリスクがあります。

我が家の子たちは噛み癖がないので大丈夫ですが、噛み癖がある子の場合は注意が必要です。

👉【詳しい敷き方やコスパ最強の理由はこちらの記事で解説しています!】

温度管理

室内の温度管理は、基本的にエアコンで行っていますが、フローリングの床はタオルやマイクロファイバーバスマットを敷き詰めても底冷えするため、人間用のホットカーペットを敷いています。

人間用のホットカーペットを使用している理由は、放し飼い状態になるとペット用の小さなヒーターでは彼らの生活空間全体を暖めることができないからです。

人間用のホットカーペットであれば、広範囲を温めることができるため非常に便利です。

注意点としては、人間用のホットカーペットはペット用と違い、コードにフレキシブルチューブ(金属外装)などの保護がされていないため、自作で噛みつき対策を行う必要があります。

また、ペットが長時間直接触れ続けると低温火傷を起こす可能性があるので、ホットカーペットの温度が高温にならないように調整し、上にはマイクロファイバーバスマットを敷き、その下に潜り込まれないようにマジックテープで固定しています。

ホットカーペットのコードはコードチューブで保護している。
ホットカーペットの上に100均のテーブルクロスを敷いて防水。その上にマジックテープで敷物を固定して潜り込みを予防している。

👉【コードをかじられない工夫や安全な温度設定のコツはこちらの記事へ!】

水飲み

飼育スペースからケージをなくすと、水飲みの設置方法に問題が生じる場合があります。

これは、ペット用の水飲みは、ケージの柵に固定するためなので、お皿に水を張った状態で提供している場合は問題になりません。

我が家では、下の写真のように100均のワイヤーネットに足を付けて立てるようにして、そのネットに水飲みを取り付けています。

水飲みは100均のワイヤーネットで作成している。

足は、片側だけに取り付けると水飲みの重さで不安定になったので、両サイドに取り付けています。

バリアフリー化の代償と今後の課題!最大の壁は「ニオイと粉塵」

うさぎの毛がいつの間にか指にくっついている。

床の安全対策と寒さ対策は過去に行っていた工夫でクリアできました。足腰には最高の環境です。

しかし床が全面布(バスマット)になり空間の仕切りがなくなったことで、新たな大問題が発生しました。

チモシーの細かい粉塵や、きなこくんのもっふもふの抜け毛、そしておしっこのニオイが「ダイレクトに部屋の空間へ舞い上がる」ようになってしまったのです。

抜け毛や粉塵がひどい時には、私自身もくしゃみが止まりません。

しかも、床にも粉塵や抜け毛が落ちているため、床付近に鼻が来るモルモットやうさぎの呼吸器にも絶対に良くありません。

現にきなこくんは、1日に何度もくしゃみをしている姿が見られています。対策として、コロコロやウエットシートでの拭き掃除も頻繁に行っているのですが、十分ではないようです。

「この粉塵とニオイの地獄をなんとかしなければ…!」

そこで根本的な解決策として、今すぐには無理ですが近い将来、床付近の集塵に強い「空気清浄機」を導入することを本気で検討することにしました。

まとめ

今回の記事では、モルモットやうさぎの飼育スペースのバリアフリー化と放し飼いを行い、実感した成果やメリット・デメリット、今後の課題を解説しました。

作業療法士としての経験から、環境が整えば失われた機能(歩くことなど)をカバーし、再び生き生きとした生活を取り戻すことができることはわかっていましたが、やはりケージをなくすという決断は勇気が必要でした。

しかし、彼らが段差を気にせずのびのびと過ごす姿を見ると「環境を変えて本当に良かった」と心から思います。

ペットの踏み付けや感電といった新たな危険への配慮や、掃除・粉塵対策といった飼い主の負担も増えたため、今後改善していくべき課題は確かにあります。

しかし、「バリアフリー化&放し飼い」という選択肢は、ペットの元気を取り戻すために有効な手段と言えるかもしれません。

現在、シニア期や病気を抱えたペットの住環境に悩んでいる場合は、今回の記事をヒントにしてみてもらえれば幸いです。

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