モルモット飼育の初心者さん、可愛いモルモットの「食事管理」で悩んでいませんか？
牧草がモルモットの主食であることは広く知られていますが、野菜や果物を与えるかどうかは悩ましいポイントです。
特に初めてモルモットをお迎えした飼い主さんにとって、「いつから果物や野菜を与えるべきか」という疑問は少なくありません。
実はモルモットは、幼少期に経験した食べ物の味が大きく影響し、大人になると新しい食材を受け入れにくくなる性質があります。
筆者自身も、病気で水分補給が必要になったモルモットに慌てて野菜を与えたものの、まったく口にしてくれずに困った経験があります。
この体験を通じて、幼少期に多様な食材を少しずつ慣れさせておくことの大切さを痛感しました。
本記事では、幼少期のモルモットに野菜や果物を与えた方が良い理由と、その実践方法をわかりやすく解説します。
幼少期のモルモットに野菜や果物を慣れさせるべきか？
幼少期のモルモットに多様な野菜や果物を与えるべきかどうかは、多くの飼い主さんや獣医師の間でも賛否が分かれています。
賛成派の意見としては、「味覚の形成期にさまざまな食材を経験させておくことで、大人になってから偏食しにくく、食欲低下や病気時の栄養補給がしやすい」といったものが代表的です。
さらに、「多様なビタミンやミネラルをバランスよく摂取でき、特にビタミンC欠乏の予防になる」「一種類に偏ることで起こる栄養不足や嗜好の固定を防げる」といった利点も挙げられます。
一方で慎重派は、「幼少期は消化器官が未発達なため、繊維や糖分の多い食材で下痢や膨満を起こすリスクがある」「急激に多品目を与えると腸内フローラが安定せず、体調を崩すことがある」と警鐘を鳴らします。
まとめると、「幼少期から多様な食材に触れさせること自体は推奨されやすいが、その方法──急に多くを与えるのか、少しずつ増やすのか──で意見が分かれる」というのが実情です。
与える場合は「まずは数種類の安全な野菜（例：ロメインレタス、ピーマン、少量のニンジンなど）から徐々に慣らしていく」方法が望ましいとされています。
ちなみに、筆者の意見としては【モルモットに限らず味覚が固定されるまでに色々な食材を与えた方が良い】となります。
Q&A：初心者モル飼いさんが躓きやすい疑問
Q1. なぜ幼少期に色々な野菜や果物を与える必要がある？
モルモットは、生後数か月の間に味覚がほぼ固定されると言われています。
そのため、幼少期にチモシーやペレットといった限られた食材しか食べていないと、大人になってから新しい食材を受け入れにくくなります。
リンゴやみかん、バナナなど嗜好性の高い果物であれば、大人になってからも受け入れてくれる可能性はありますが、実際には難しいことが多いのです。
特に、病気や老齢期のモルモットにとって野菜は水分補給やビタミン補給に役立ちます。
しかし「食べ慣れていないから食べない」という状況になると、飼い主は非常に困ってしまいます。
筆者の経験でも、病気で水を飲まなくなったモルモットに野菜を与えましたが、まったく見向きもされず、一切口にしてくれませんでした。
このようなリスクを減らすためにも、モルモットが子どもの頃から多様な食材に少しずつ慣れさせておくことがとても重要なのです。
Q2. どんな野菜から始めれば良いの？
モルモットにはじめて与える野菜としておすすめなのは、ロメインレタスやサニーレタスです。
レタス類は栄養価こそやや低めですが、水分を多く含んでいるため、将来的に野菜から水分補給が必要になった際にとても役立ちます。
次におすすめなのが、ビタミンCが豊富で消化にも優しいピーマンです。まずは緑のピーマンから始め、慣れてきたら赤や黄色も取り入れると彩りも増していきます。
さらに、セロリの葉やパセリなどの香草類も、少量ずつ試してみると良いでしょう。
ニンジンは甘みがあって好まれやすい野菜ですが、糖分が多いため与えすぎには注意が必要です。
果物はあくまで「特別なおやつ」と考え、少量にとどめるのが安心です。
また、毎回同じ野菜ばかりではなく、ローテーションして与えることで栄養バランスが整い、飽き防止にもつながります。
👉 安全な野菜の詳しい一覧は、別記事のモルモットに与えてよい野菜リストをご覧ください。
Q3. モルモットの種類によって食べ物への興味は違う？
モルモットには、イングリッシュモルモットやアビシニアン、テディ、シェルティなど、さまざまな種類が存在します。
種類によって性格に違いがあると言われていますが、「食の好み」に差はあるのでしょうか？
結論から言うと、科学的なデータでは品種ごとに食の好みが異なるとは証明されていません。
しかし、経験豊富な飼育者の間では、モルモットの種類ごとにある程度の傾向が語られることがあります。
たとえばイングリッシュ（ショートヘア系）は好奇心が強く、新しい食材に対しても子どもから大人まで興味を示し、口にしてくれることが多いとされます。
筆者の経験でも、イングリッシュモルモットは新しい野菜や果物に積極的で、比較的スムーズに受け入れていました。
一方で、アビシニアンはやや警戒心が強く、大人になってから新しい食材を与えても拒否することが多かった印象があります。
もちろん、これはあくまで「傾向」であり、個体差が非常に大きいため、すべてのモルモットに当てはまるわけではありません。
ただし、品種ごとの特徴を知っておくことは、食事管理のヒントになるでしょう。
Q4. すでに大人になってしまったらどうすればいい？
すでに大人になってから新しい野菜に慣れさせるのは難しいものの、まったく不可能ではありません。
ポイントは 「少量を繰り返す」 ことです。まずは牧草や食べ慣れた野菜の横に、ほんのひとかけらを置いて匂いに慣れてもらいましょう。
形や切り方を変えるのも有効で、細長くしたり薄くスライスしたりすると、口にしやすくなる場合があります。
また、複数飼育している場合には、他の子が食べている様子を見せることで「安全な食べ物だ」と学習することもあります。
ただし、無理に口へ入れようとするのは逆効果です。焦らず、気長に続けることが大切です。
初心者でも野菜・果物の与え方
- 少量から始める：最初は1種類だけ、ひとかけらを与える。
- 便を観察する：下痢や軟便がないかを確認。
- ローテーション：毎日違う野菜を少しずつ追加していく。
- 牧草の横に置く：普段の食事に混ぜず、別皿や横に置いて自然に手を伸ばせるように。
- 果物は控えめ：糖分が多いので“ごほうび”として週に1〜2回だけ。
これを続ければ、モルモットは徐々にさまざまな野菜を食べられるようになり、病気や老後に備えた「食材の選択肢」を広げられます。
👉 与えてはいけない食材の一覧は、別記事のモルモットに与えてはいけない食材リストをご参照ください。
筆者が失敗から学んだこと
筆者が初めてモルモットを迎えたときのことです。
ペットショップの店員さんの説明を鵜呑みにし、「チモシーとペレットだけで十分だろう」と考えて、野菜はほとんど与えていませんでした。
健康なうちは問題ありませんでしたが、体調を崩して水分補給が必要になったとき、野菜を差し出しても口にしてくれなかったのです。
弱っているのに食べない姿を目の前で見て、本当に焦りました。
この経験から「幼少期から多くの食材に慣れさせておくことがどれほど大切か」を痛感しました。
今では新しいモルモットを迎えた際には、少しずつ安全な野菜をローテーションで与えるようにしています。
同じ失敗を繰り返さないためにも、これから飼育を始める方には、ぜひ早い段階で多様な食材に慣れさせてあげてほしいと思います。
まとめ
本記事では、幼少期のモルモットに野菜や果物を与えた方が良い理由と、その与え方を解説しました。
モルモットの食事の幅は、味覚が固定される幼少期にどれだけ多くの食材を経験したかで大きく変わります。
ビタミンCの補給、病気や老齢期の水分補給、栄養バランスの確保、そのすべてが幼少期の食事のとり方にかかっています。
品種や性格によって食への積極性に違いはありますが、最も重要なことは「小さいころから多品目を少しずつ試すこと」になります。
いつから始めても遅くはありません。まずは小さな一口から始めて、大切なモルちゃんに安全で豊かな食生活を届けてあげてください。
👉 食材の可否を調べたいときは、当サイトのモルモット食材チェックツールもご活用ください。