モルモットの健康を守るためには、日常のケアが重要になります。
しかし、モルモットをお迎えしたばかりの初心者モル飼いさんの場合、必要なケアのポイントが分からないことも珍しくありません。
実際に、筆者も初めてモルモットをお迎えした時は、適切なケアの方法が分からず苦労したものです。
本記事では、初心者モル飼いさんに役立つ、モルモットケアの方法を解説しています。
是非、ご自宅のモルモットのお世話に役立ててみてください。
モルモットの食事管理の基本

モルモットの健康を守るには、毎日の食事管理がとても大切です。
栄養バランスの取れた食事を提供することで、モルモットが元気で長生きする可能性が高まります。
モルモットの食事の基本や、安全な野菜の選び方について分かりやすくご紹介します。
モルモットの食事の基本構成
モルモットの食事は以下の割合を目安に、バランスよく与えましょう。
- 主食(牧草):全体の70~80%
牧草はモルモットの食事の基本です。繊維質が豊富で、歯の健康を保つ効果もあります。特に「チモシー牧草」は栄養価が高く、初心者にもおすすめです。
- 補助食(ペレット):全体の10~20%
牧草だけでは補えない栄養を補充するために、専用のペレットを与えましょう。モルモットは体内でビタミンCを作れないため、ビタミンC配合のペレットを選ぶと安心です。
- 新鮮な野菜:全体の10%程度
野菜は水分補給やビタミンの摂取に役立ちます。ただし、適量を守り、与える野菜の種類に注意してください。
安全な野菜リスト
モルモットに適した野菜は栄養価が高く、消化に優しいものを選びましょう。
以下は安全な野菜の一例です。
- にんじん:薄切りにして少量を与える(βカロテンが豊富)
- パプリカ(赤・黄色):ビタミンCが多く含まれる
- チンゲン菜:消化に優しく栄養価も高い
▶️ 注意点:キャベツやほうれん草、じゃがいもなど、ガスが溜まりやすいものや毒性のある野菜は避けましょう。また、野菜は必ず新鮮で洗浄したものを与えてください。

モルモットに与えて良い野菜を詳しく知りたい場合はこちらの記事へ!
食事の与え方のポイント

正しい食事管理は、モルモットの健康を守るための第一歩です。
前述した基本的な食事の構成や安全な野菜の選び方を参考にして、モルモットが元気に過ごせる環境を整えましょう。
さらに、食事の与え方にも工夫が必要です。ここでは、その注意点について詳しく解説していきます。
新鮮な牧草を常に食べられるように
モルモットにとって牧草は、単なる食事ではなく、健康を維持するために欠かせない要素です。
モルモットは草食性の動物であり、消化器官が常に食物を処理するように進化しています。
そのため、牧草を常に自由に食べられる状態にしておくことが大切です。
牧草は、モルモットの消化を助け、胃腸の働きを正常に保つ役割を果たします。
また、牧草を食べ続けることで、伸び続ける歯を自然に削るのにも役立ちます。
不正咬合や口内炎などの歯の病気を予防する効果が期待できるため、清潔な牧草を常に食べ放題の状態にしてあげましょう。
ペレットは朝晩に適量与える
ペレットは、一度に多くの量を与えるのではなく、適切な量を決まった時間に提供するよう心がけましょう。
ペレットには栄養が凝縮されているため、与えすぎると肥満や栄養過多による健康問題を引き起こす可能性があります。
そのため、朝と晩の2回、決められた量を与えることが理想的です。
ペレットは栄養を補う役割を果たすため、主食としてではなく、牧草や新鮮な野菜を主体とした食事と組み合わせて与えることが大切です。
また、ペレットの適切な選び方も重要です。多くのペレットにはビタミンCなどの必須栄養素が含まれていますが、その含有量や品質は製品ごとに異なります。
パッケージに記載された栄養成分を確認し、それを基に適切な量を守りましょう。
さらに、ペレットの中には種子や穀物が混ざったものもありますが、これらは選り好みや栄養バランスの偏りを招く可能性があるため、避けるのが望ましいです。
野菜はおやつとして与える
毎日少量を与える程度にとどめ、食べ残しは早めに取り除きましょう。
野菜は、モルモットやウサギのような小動物にとって栄養補助食品として重要な役割を果たしますが、主食にはなりません。
そのため、「おやつ感覚」で少量を与えることが推奨されます。
野菜には水分やビタミンが豊富に含まれており、特にビタミンCを多く含む野菜はモルモットにとって欠かせない栄養源です。
しかし、与えすぎると消化不良や肥満を引き起こす可能性があり、また一部の野菜ではカルシウム過多による結石のリスクがあるため、適量を守ることが重要です。
また、野菜を与える際には新鮮なものを選び、食べ残しは速やかに取り除く必要があります。
特に梅雨時や夏場のような高温多湿の時期は野菜が腐敗しやすく、ペットの健康を損なう原因となることがあります。
そのため、与える前に必要な量だけを取り分け、食べ残しを数時間以内に片付けることで、衛生管理を徹底しましょう。

牧草フィーダーやひっくり返りにくいペレット皿を使用すると、モルモットが快適に食事できますよ♪
モルモットの健康を守るケージ内の掃除

モルモットが健康で快適に暮らすためには、清潔な環境を保つことが重要になります。
ケージの掃除頻度や方法を正しく理解し、適切な消臭対策を行うことで、モルモットと飼い主の双方にとって快適な生活を実現できるでしょう。
ここでは、掃除の基本をご紹介します。
ケージの掃除頻度と基本の方法
ケージ内の掃除は、基本的に毎日行う必要があります。
ただし、要点を押さえることで効率よく掃除を進められるようになります。
ここでは、ケージ内の掃除を行う際に押さえておきたいポイントについて解説します。
毎日の掃除
毎日の簡易的な掃除は、ケージ内を清潔に保つための基礎となります。
以下のステップで行うと良いでしょう。
- 食べ残しと排泄物の除去
モルモットの食事の残りや糞尿を取り除くことで、悪臭の発生や菌の繁殖を防ぎます。
特に、湿った牧草や汚れた床材を放置すると、皮膚病や呼吸器疾患を引き起こす原因になることがあるため、確実に取り除きましょう。 - 餌皿と給水ボトルの洗浄
食べ残しや水垢を取り除くために、餌皿や給水ボトルを洗浄します。
特に、夏場は水が痛みやすいので、給水ボトルの洗浄は重要になります。
しっかり餌皿と給水ボトルを洗浄して、水の質や餌の衛生状態を保ちましょう。 - 床材のチェック
ペットシーツや牧草が濡れたり汚れたりしている場合は、部分的に取り換えます。
これにより、臭い対策が行えると共に快適性が向上します。
週に1~2回の大掃除
週に1~2回はケージ全体を徹底的に掃除する時間を設けましょう。
大掃除では以下の手順で徹底的に行うとよいでしょう。
- モルモットの一時的な移動
掃除中はモルモットを安全な場所に移動させます。
段ボールや予備のケージを使用するのが一般的です。
ストレスを軽減するために、移動先には牧草やお気に入りのアイテムを置いてあげると良いでしょう。 - 床材の完全交換
ケージ内のペットシーツや牧草をすべて取り除き、新しいものに交換します。
これは、ケージ内の衛生状態を綺麗な状態にすると共に、悪臭の予防になります。 - ケージの洗浄と消毒
ケージ全体を水で洗い流し、ペット用の安全な洗浄剤や消毒剤を使用して汚れや細菌を除去します。
その後、完全に乾燥させてから新しい床材を敷きましょう。
ケージ内清掃の手順
モルモットのケージ内の掃除は、あらかじめ手順を決めておくことで、モルモットと飼い主さんの負担を軽減することが可能です。
特に、大掛かりな掃除を行う際には手順が重要ですので、ここではそのポイントを簡単に解説します。
ご自宅でのケージ清掃の際に、ぜひ参考にしてみてください。
モルモットを別の場所に移動
掃除中にモルモットがストレスを感じないよう、一時的に安全な場所に移動させます。
- 安全な移動場所の選択
キャリーケースや、簡易サークルを用意し、その中に牧草やお気に入りのアイテムを入れることで、リラックスできる環境を提供します。
- ストレスの軽減
モルモットは神経質な性格のため、穏やかに抱き上げて移動させることが重要です。急な動きは避けましょう。
排泄物や汚れた床材を取り除く
ケージの中の古い床材や排泄物を完全に取り除きます。
- 清掃範囲の確認
ケージの隅々を確認し、特に糞尿が溜まりやすい箇所を重点的に掃除します。ペットシーツや牧草が湿っている場合は速やかに交換します。
- 使用済みの床材の処理
捨てやすい床材を使用すると、掃除が簡単になります。新聞紙や吸収性の高いシートを敷くのも有効です。
ケージを洗浄
ケージ全体を清潔に保つための洗浄手順を実行します。
- 使用する洗剤
ペット用の安全な洗剤を使用し、ぬるま湯で薄めてから洗います。合成洗剤は避け、モルモットに無害なものを選びましょう。
- 洗浄のポイント
ブラシや布を使い、汚れが溜まりやすい隙間や角を念入りに掃除します。その後、完全に乾かすことで、カビや雑菌の発生を防ぎます。
新しい床材を敷く
掃除が終わった後は、新しい床材を敷き、モルモットが快適に過ごせる環境を整えます。
- 適切な床材の選択
牧草やペットシーツ、吸収性の高い素材を使うことで、衛生状態を長く維持できます。
- 環境の確認
床材の上に再度牧草を敷き、モルモットが自然な行動をとれるようにします。モルモットが戻った後の様子も確認し、快適に過ごせているかをチェックしてください。
清掃の手順
- モルモットを別の場所に移動
掃除中にモルモットがストレスを感じないよう、安全なキャリーケースやサークルに移します。 - 排泄物や汚れた床材を取り除く
ケージの隅々まで確認し、汚れた部分をすべて取り除きます。牧草やペットシーツも定期的に交換しましょう。 - ケージを洗浄
温かい水でケージ全体を洗い流し、ペット用の安全な洗剤を使って拭き取ります。その後、乾いた布でしっかりと水気を拭き取ります。 - 新しい床材を敷く
ペットシーツや牧草を新しく敷き直し、快適な環境を整えます。
快適な生活のための消臭対策
モルモットのケージは、特に夏場などに臭いがこもりやすくなることがあります。
消臭スプレーや掃除用具を活用すれば、臭い対策を簡単に行うことができます。
- 消臭スプレー
ケージ内の臭いを軽減するためには、消臭スプレーを使用すると良いでしょう。ただし、ペットコーナーで販売している小動物に安全な成分で作られた消臭スプレーを選びましょう。
- 掃除用具
モルモットのケージ掃除には、ハンディタイプの掃除機や小さめのほうきと塵取りを使うと便利です。ほうきと塵取りは100円ショップで販売しているものが使い勝手が良くおすすめです。
ケージの清潔さを保つポイント
モルモットのケージを清潔に保つためには、通気性の良い場所にケージを設置することが重要です。
通気性の良い場所にケージを置くことで、湿気が溜まりにくくなり、雑菌やカビの発生を抑えることができます。
特に湿度の高い梅雨時や夏場には、エアコンや除湿機を活用するのがおすすめです。
ケージ内の掃除は、習慣化して毎日少しずつでも行うことで、清潔さを保つと同時にニオイ対策にもなります。
また、モルモットと一緒に生活しているうちにニオイに慣れてしまい、自分ではペット臭に気が付きにくくなることがあります。
そのため、定期的に家族や友人に「ニオイが気になるか」を聞いてみると良いでしょう。
ポイント一覧
- 通気性を確保
ケージの設置場所は通気性の良い場所を選び、湿気が溜まりにくい環境を作りましょう。 - 掃除を習慣化する
毎日少しずつ掃除をしておくことで、清潔保持とニオイ対策ができ、大掃除の負担を軽減できます。 - ニオイにへの慣れ過ぎ注意
飼い主が匂いに慣れてしまうことがあります。定期的に家族や友人に「ケージの匂いが気になるか」を聞くのも効果的です。
モルモットの健康チェック!

モルモットの健康を守るためには、毎日の食事や清潔な環境だけでなく、健康状態の確認も欠かせません。
健康維持のために覚えておきたいチェック項目を把握し、早期に異常を発見できるよう心がけましょう。
体重測定
モルモットは体調不良を隠す傾向があるため、体重の変化は健康状態を把握するうえで重要な指標となります。
特に、急激な体重減少は病気のサインである可能性が高いため、注意が必要です。
また、体調不良によって食事量が減少すると、体重が目に見えて落ちていくことから、体重管理の重要性がよく分かります。
体重測定の頻度と方法
- 頻度:週に1回程度の測定をおすすめします。
- 方法:デジタルスケールを使用し、同じ時間帯に測定することで、正確な比較が可能です。
健康チェックのポイント
体重以外にも、健康状態を把握するために確認しておくべきポイントがあります。
目や鼻の周辺をチェックし、目やにや鼻水の状態を観察しましょう。
また、毛の状態を確認することで、抜け毛や艶の低下を早期に発見しやすくなります。
さらに、食欲や排泄物の状態も、健康状態を把握するうえで重要な要素です。
健康チェックのポイント
- 目や鼻の状態:目やにや鼻水がないか確認します。
- 被毛の状態:毛の艶や抜け毛の増加がないかチェックします。
- 食欲と排泄:食欲の低下や便の状態に変化がないか観察します。

正確な体重測定のためには、小動物用のスケールを使用すると良いでしょう。
まとめ
本記事では、モルモットの健康を維持するための日常のケアについて解説しました。
モルモットの健康的な生活の基本は、食事、清潔保持、健康チェックです。
モルモットを迎えると、その可愛さからおやつやペレットを多く与えたくなるかもしれません。
しかし、彼らは完全な草食動物であり、食事の基本は牧草です。
果物や野菜の過剰摂取は、肥満や虫歯、糖尿病などの原因となるため、注意が必要です。一方、牧草は1日中食べ続けるため、清潔な牧草を常に提供しましょう。
また、モルモットの健康を守り、飼い主さんが快適に過ごすためには、ケージ内の清掃が大切です。
毎日のこまめな清掃に加え、週に1度は大掃除を行い、不快な臭いやカビの発生を防ぎましょう。
さらに、モルモットの健康チェックも重要です。定期的に体重を測定し、日々のケアとして被毛の状態、目やに、鼻の状態、食欲、排泄状況を確認しましょう。
特に、食欲と排泄物の確認は毎日行うことで、異常の早期発見につながります。可能な限り毎日実施しましょう。
モルモットが健康で元気に過ごしていると、飼い主さんもハッピーな気持ちになること間違いなし!本記事が、モルちゃんの健康を守るお役に立てば幸いです。