モルモットの水分摂取、悩んだことはありませんか?
モルモットを飼育していると、「水、ちゃんと飲めてる?」「給水ボトルの水が減ってないけど大丈夫?」と、不安になることは珍しくありません。
特に夏場や病気の療養中など、水分が足りているかどうかはとても気になるポイントです。
我が家のモルモットも、椎間板ヘルニアを発症してから目に見えて水分摂取量が減少してしまいました。
給水ボトルを変更してみるなど対策を試みましたが、思うような結果は得られず、現在は定時に野菜を与えることで水分補給をサポートしています。
とはいえ、「野菜だけで本当に水分は足りているのか?」という不安も、正直なところあります。そこで本記事では、
- モルモットが1日に必要とする水分量の目安
- 野菜からの水分補給は十分なのか?
- どれくらいの量を与えればよいのか?
といった点について調べ、実際に行っている対策とともにご紹介していきます。
野菜からの水分補給は有効か?
結論から言うと、「野菜からの水分補給は、水を飲む代わりとして非常に有効」です。
動物病院の先生のお話でも、病気やケガでうまく水が飲めなくなったモルモットであっても、野菜が食べられるのであれば、水分補給の手段として野菜を活用するのは非常に有効とのことでした。
また、野菜を多めに与えているご家庭や飼育施設では、モルモットが給水ボトルから水を飲む量が少なくなることも珍しくないそうです。

モルモット自身が必要な水分を判断し、野菜と水の摂取量を調整することもよくあります。
モルモットが1日に必要とする水分量は?
モルモットの1日の水分摂取量の目安は、体重1kgあたり約100〜150mlと言われています。
たとえば、体重800gの子であれば、およそ80〜120mlの水分が必要ということになります。
ただしこの数値は、年齢・活動量・気温・食事内容などによって変動します。
野菜からたくさん水分を摂っている子や、日中おとなしく過ごしている子の場合、比較的少ない水分量でも足りることがあります。
一方で、水分が不足すると尿量が減り、膀胱結石や脱水の原因になることもあるため、日々の体調観察がとても大切です。
モルモットは水をあまり飲まない?

個体差はありますが、モルモットはもともと大量の水分を必要としない動物です。
特に、水分を多く含む野菜をしっかり食べている場合、水のボトルから直接飲む量はぐっと減る傾向があります。
しかし、だからといって水を与えなくてもいいというわけではありません。
常に新鮮な水を用意し、ボトルの高さや形状、飲み口の使いやすさなどにも気を配ることが大切です。
また、病気やストレスなどで急に水を飲まなくなった場合には、脱水症状のサインが出ていないかもよく確認してあげましょう。
野菜で水分を補うときのコツ
野菜には、およそ90〜95%の水分が含まれています。
そのため、種類や量をうまく選べば、水をあまり飲まないモルモットでも、野菜だけで1日に必要な水分をまかなうことが可能です。
例えば、20gの野菜に含まれる水分はおよそ18g(=18ml)程度。
これを2時間おきに20gずつ与えると、1日で合計180ml近くの水分を野菜から摂取できる計算になります。
ただし、モルモットには食べ物をあとで食べるために残す習性がないため、一度に大量に与えても後から食べてくれるとは限りません。
また、食べ残した野菜が時間の経過とともに傷んでしまう可能性もあるため、こまめに少量ずつ、新鮮なものを与えることがポイントです。
以下に、野菜や果物の100gあたりの水分量をおおよその目安としてまとめています。モルモットの水分補給を野菜で行う際の参考にしてみてください。
野菜 | 量(g) | おおよその水分量(㎖) | 水分含有量(%) |
レタス | 100 | 95.0 | 95 |
三つ葉 | 100 | 93.0 | 93 |
セロリ | 100 | 94.0 | 94 |
ベビーリーフ | 100 | 94.0 | 94 |
きゅうり | 100 | 96.0 | 96 |
パプリカ | 100 | 92.0 | 92 |
小松菜 | 100 | 92.0 | 92 |
チンゲン菜 | 100 | 94.0 | 94 |
ニンジン | 100 | 88.0 | 88 |
ブロッコリー | 100 | 89.0 | 89 |
ピーマン | 100 | 93.0 | 93 |
大葉(しそ) | 100 | 85.0 | 85 |

表は100gごとの水分量を記載しているので、実際に提供する際には、1日に必要な水分量になるように計算してください。当サイトでは、情報を集めてから表を作成していますが、間違いがあることもあるので一度ご自分でも調べてみて下さい。
果物 | 量(g) | おおよその水分量(㎖) | 水分含有量(%) |
りんご | 100 | 84.0 | 84 |
ばなな | 100 | 75.0 | 75 |
みかん | 100 | 87.0 | 87 |
すいか | 100 | 92.0 | 92 |
ぶどう | 100 | 81.0 | 81 |
いちご | 100 | 90.0 | 90 |
パイナップル | 100 | 86.0 | 86 |
キウイ | 100 | 83.0 | 83 |
梨 | 100 | 88.0 | 88 |
ブルーベリー | 100 | 85.0 | 85 |

くだものは、野菜以上に嗜好性が強く、糖分を多く含んでいるので水分補給の代役にはあまり向いていません。ただ、水も飲まない、野菜も食べないモルちゃんの場合にはくだものなら食べてくれることもあるので、覚えておきましょう。
おすすめ野菜と注意点
水分補給に適した野菜には、レタス・三つ葉・ベビーリーフ・きゅうり・セロリなどがあります。
これらの野菜は90%以上が水分で構成されており、体内への水分供給に非常に優れています。
ただし、レタスは栄養価がやや低めなため、中心的に与えすぎないよう注意が必要です。
また、きゅうりやセロリは体を冷やしやすい性質があるため、寒い時期には控えめにした方が良いでしょう。
野菜の種類が1つに偏らないように、ローテーションを組んで数種類を組み合わせることで、栄養バランスを保ちつつ、効率的に水分を摂取することができます。
なお、パセリや三つ葉などの香味野菜はモルモットによって好みが分かれるため、様子を見ながら少量ずつ与えてみてください。

基本的には、水分含有量の高い野菜がおすすめです。
筆者宅のモルモットの場合


我が家のモルモット・春太くんは、椎間板ヘルニアを患ってから自分で水を飲む量が減ってしまいました。
チモシーの摂取量に変化はないものの、ペレットフードの食べる量はやや減少しています。
そのため、水分補給と食事量の確保を目的に、レタスやベビーリーフをベースに、三つ葉やセロリの葉などを少量ずつ加え、1回あたり20〜30gの野菜を2時間おきに与えることにしました。
最初は「これで足りているのかな?」と不安に感じていましたが、尿量や体重の変化を観察した結果、十分な水分が確保できていることがわかったため、現在もこの方法を継続しています。
今後も経過観察を行いながら、春太くんの様子に応じて、野菜の内容や量を調整していく予定です。
この方法を実践する上での注意点は、「モルモットは野菜を意識的に“とっておく”ことができない」という点です。
与えた野菜はその場で全て食べてしまうため、こまめな給餌が有効になります。
また、仮に野菜を残すモルちゃんがいたとしても、時間の経過とともに傷んでしまうため、やはり時間を決めて新鮮な野菜をこまめに与えることが大切です。

春太くんがヘルニアになってから1週間ほど経ちましたが、初めのころと比べると便の詰まりが少し軽くなってきたように思います。
まとめ
本記事では、モルモットが1日に必要とする水分量と、水を飲まなくなった際に野菜で代用する方法の有効性についてご紹介しました。
結論としては、「野菜だけでも水分補給は可能」です。
ただし、うんちの状態やおしっこの量、モルモットの体調をしっかり観察することが大切です。
モルモットの水分補給には野菜が大きな役割を果たしますが、「野菜だけで大丈夫」と思い込まずに、体重・尿量・便の状態・食欲などを日々チェックしながら判断しましょう。
水をまったく飲まなくても、野菜から十分な水分が摂れていれば基本的には問題ありません。とはいえ、新鮮な飲み水を常に用意し、飲みやすい環境を整えることも、飼い主さんの大切な役割です。
野菜で水分を補いつつ、愛モルちゃんの体調をしっかり見守ってあげてください。
また、自力で水を飲まず、野菜や果物も食べないモルモットの場合は、給餌(シリンジなどによる強制給餌)も視野に入れる必要があります。
病気のモルモットのお世話をする際には、一つの方法に固執せず、視野を広く持ってさまざまな方法を検討してみてください。
また、お世話の方法やケージ内の環境を変更した際には、変更前と後でどのような違いが見られたか、その原因は何かを観察してあげることも大切です。