以前、別の記事でもご紹介したように、椎間板ヘルニアで闘病中のモルモット「春太くん」に脱毛と皮膚の炎症が見られるようになりました。
病院を受診し、抗炎症薬と栄養剤を処方してもらって処置を続けていましたが、回復は思わしくありません。
そのため、先生も当初の見立てを変更し、それに伴い治療方針も変更されることになりました。
本記事では、春太くんの脱毛の経過、新たに考えられる原因、そして今後の治療法についてご紹介します。
観察と再診で見えてきた「別の可能性」
前述しましたが、先生が当初考えていた原因は「被毛の汚れ」「ストレス」「皮膚の炎症」といったものでした。
そのため、洗体の頻度を上げて清潔を保ちつつ、皮膚の炎症を抑えるための服薬を行い、さらにストレスを軽減させるため、定期的にケージから出して自由に過ごさせるようにしていました。
しかし、治療を始めてから1ヵ月が経過しても、状態は改善するどころか、むしろ悪化。
せっかく生えてきた新しい毛も、すぐに抜け落ちてしまう状況が続きました。
服薬を始めてから3回目の受診時に、脱毛の原因として「真菌(カビ)の感染」の可能性があることが示唆されました。
そのため、洗体の頻度はやや控えめにしつつも、汚れがついたらすぐに清潔にするよう心がけ、治療薬も飲み薬からカビ対策用の塗り薬へと変更されました。
「真菌(カビ)による脱毛・皮膚炎」は目視では判断が難しいものの、モルモットに比較的よく見られる皮膚症状の一つだそうです。
特に、湿度の高い季節にケージ内の衛生環境が悪化していたり、怪我や病気によってモルモットの免疫力が低下していると、もともと皮膚に常在している真菌(カビ)が繁殖しやすくなり、症状として現れることがあると説明を受けました。
新たな治療の開始「カビ対策の塗薬へ」
先生の判断のもと、これまでの飲み薬から抗真菌作用のある塗り薬を使用する治療に変更となりました。
薬の副作用に下痢のリスクがあるため、一度にたくさん塗り過ぎず、1日3回、患部にできるだけ薄く延ばすように、やさしく塗布していきます。
そして、塗布後は20分ほど、患部を舐めないように様子を見守っていました。
改善が見られた!

新しい治療として塗り薬を使い始めてから、2週間ほど経った頃から、少しずつ改善が見られるようになりました。
脱毛部位の拡大が止まり、産毛もしっかりと定着し始めたのです。
それまでスカスカで地肌が見えていた部分が被毛で覆われてくると、ひと安心です。
症状の改善とともに、春太くん自身も痒がったり、肌を掻きむしる様子が減り、落ち着いて過ごせる時間が増えてきました。
さらに、食欲もこれまで以上に出てきて、日常生活の中で以前より穏やかな表情や行動が見られるようになったのも良いポイントでした。
参考画像
以下は、抗炎症薬と栄養剤を中心に治療していた時期の写真と、真菌(カビ)対策を始めて2週間後の写真です。
抗炎症薬で治療していた時期は、被毛が生えてきてもすぐに抜けてしまうため、地肌が多く露出していました。
また、痒みから掻きむしることが多く、地肌が赤くなっていました。
しかし、真菌(カビ)対策として薬を塗布するようになってからは、地肌の赤みが減り、長さの整った毛が生えてくるようになりました。
薬以外の処置はどちらの時期も同じであったため、薬の効果が現れていることが確認できるのではないでしょうか。



真菌(カビ)対策をしてから、目に見えて改善してきました!
まとめ
本記事では、我が家のモルモット「春太くん」の脱毛に対する治療の変更と、その後の経過についてご紹介しました。
モルモットの抜け毛や皮膚炎は、動物病院の先生でも診断に悩むことがあるという点が、ご理解いただけたのではないでしょうか。
一度診断が出て治療が始まっても、症状の経過をしっかり観察し、思うような改善が見られない場合は、早めに再度獣医師に相談することが大切です。
また、モルモットの健康を守るためには、ケージ内の環境管理と、清潔を保つことが重要になります。
治療と並行して、日々のお世話を丁寧に行いながら、経過を見守っていきましょう。