うさぎは、その愛らしい外見と穏やかな性格で、多くの人々に愛されていますが、うさぎの健康を維持するためには適切な食事が非常に重要です。
うさぎの食事は、その消化器系の健康、歯の健康、さらには精神的な満足感に大きく影響します。
適切な野菜やくだものを提供することは、うさぎの長寿と活動的な生活を支える基盤となります。
本記事では、うさぎに与えることが出来る野菜やくだもの、避けるべき食品についてリストと解説を交えて紹介しています。
うさぎは野菜やくだものを食べても良い?
結論から言うと『うさぎは野菜とくだものを食べて大丈夫』です。
ただし、うさぎに野菜やくだものを与える際には、注意しなければならないポイントがいくつかあります。
もともと、うさぎの主食は、牧草(チモシー)です。
主食には、牧草を与えて不足する栄養素はペレットで補います。野菜やくだものは、うさぎにとって安全なものを、おやつとして少量与える程度にしておきましょう。
野菜や果物の与え方
野菜や果物をうさぎに与えるときは、与えはじめる時期や量だけでなく、与え方にも注意が必要となります。
野菜や果物はいつから与えても良い?
うさぎに野菜や果物を安全に与えるためには、いくつかの段階を踏むことが大切です。
まず、うさぎが離乳してから最低2週間以上経過し、胃腸の状態が安定してから始めましょう。
特に生野菜やくだものを与える場合は、うさぎが生後3~4ヶ月を過ぎてからが適切です。
初めて与える際は、1種類の野菜を少量から始めて、徐々にうさぎがその味に慣れるようにします。
生後7ヶ月を過ぎたら、段階的に量を増やしていき、1歳頃には通常の量を与えるようにしていくと良いでしょう。
また、野菜やくだものを与えるタイミングを工夫することで、うさぎとの絆を深めることができます。
例えば、ブラッシングの後や一緒に過ごす時間のご褒美として手から直接に、与えると、うさぎにとっても嬉しい経験となります。
このように野菜やくだものを効果的に使い、うさぎとのコミュニケーションを楽しんでみてください。
野菜や果物を与えて良い量は?
野菜やくだものをうさぎの食事に取り入れる際には、全体の食事量に対して多すぎにならないよう注意が必要です。
野菜の量は、ペレットや牧草の約1/10程度を目安にしましょう。具体的には、1日に約5グラムの野菜から始めると良いでしょう。
うさぎが様々な野菜を楽しんで食べる場合は、3~5種類の野菜を混ぜて与えても大丈夫です。
ただし、与える野菜の中で、75%以上を葉野菜にし、実や根の部分がある野菜は全体の少量に抑えましょう。
また、くだものに関しては、糖分の高さから量を非常に控えめにする必要があります。
うさぎの一日の果物の量は、全体の食事からわずかな割合に抑えることが推奨されています。
具体的には、うさぎに与える果物の量は、体重1キログラムあたり約1ティースプーン(約5グラム)を目安とすると良いでしょう。
たとえば、2キログラムのうさぎであれば、一日に約10グラムの果物までとなります。
果物は高カロリーかつ糖質が多いため、過剰な摂取は肥満や消化器官の問題を引き起こす可能性があります。
大量に与え過ぎないように注意が必要です。
また、野菜・果物ともに与える前に、鮮度と安全性を確認して適切なサイズにカットしてから与えるようにしてください。
そして、うさぎが食べた後の様子を観察し、不調の兆候が見られる場合はそれ以降は量を調整するか、与えるのをやめるようにしましょう。
野菜や果物を与えるときのポイント
野菜やくだものは与える前によく水洗いをして、種やへたがあれば取り除きます。
にんじんやきゅうりはスティック状にするなど食べやすい形にカットしてあげましょう。
硬い部分がある場合は、適宜カットして皮がむける野菜やくだものは、むいてあげてください。
野菜やくだもの種類は、週ごとに変更していろいろな野菜を与え、同じものを継続して与えないようにしましょう。
これは、野菜やくだものに含まれる成分の中には、少量では問題なくても長い期間、継続的に摂取すると健康に影響することがわかっているものがあるので、その影響を避けるためです。
野菜やくだものは、あくまでも副食なので、野菜を食べることで牧草やペレットが食べられなくならないように、うさぎに合わせて量を調節してください。
もし野菜やくだものを食べなくても、必ず食べなければいけないものではないので、気にしなくても大丈夫です。
大人のうさぎの場合でも与える量をいきなり増やすことや、初めての野菜をたくさん与えることは避けてください。

野菜はヘルシーなイメージがありますが、うさぎが食べすぎると腸内細菌のバランスが崩れ、下痢やうっ滞といった不調につながる可能性があります。
うさぎが食べても良い野菜 | ||
レタス | サラダ菜 | 春菊 |
三つ葉 | 水菜 | 小松菜 |
チンゲン菜 | キャベツ | 白菜 |
大葉 | せり | 大根の葉 |
かぶの葉 | ルッコラ | スプラウト |
アシタバ | サンチュ | パクチー |
コリアンダー | にんじん | きゅうり |
セロリ | アスパラガス | かぼちゃ(種はNG) |
ピーマン | ラディッシュ | トマト(葉やヘタはNG) |
クレソン | ルッコラ | サツマイモ |
シソ | バジル | もやし(水分に注意) |
空芯菜 | etc. | |
うさぎが食べても良いが注意が必要な野菜 | ||
ブロッコリー | 葉や茎も食べられますが、下痢をするうさぎもいます。 | |
カリフラワー | お腹が張ることがあります。与えた後は、注意して様子を見てください。 | |
ほうれん草 パセリ からし菜 | シュウ酸を比較的多く含むため、大量に摂取し続けると尿石症を起こす可能性があります。1日のなかで与える野菜を選ぶとき、3種類を同時に与えないようにしましょう。長期間、大量に与え続けることも避けた方が良いでしょう。 | |

小松菜、水菜、大葉、大根の葉、かぶの葉、にんじんの葉などはカルシウムを多く含んでいます。カルシウムの摂取が過剰になると尿結石の心配もあるので、これらの野菜に偏らないように注意してください。
うさぎが食べても良いくだもの(基本的に種は取り除く) | ||
りんご | イチゴ | バナナ |
梨 | マンゴー | パパイヤ |
パイナップル | 桃 | キウイフルーツ |
ブルーベリー | ラズベリー | ブラックベリー |
プラム | スイカ | さくらんぼ |
なつめ | あんず | etc. |

柑橘類は、消化不良や下痢の原因になりやすく賛否両論!ぶどうは、うっ滞や腎不全のリスクがあるので賛否両論です。絶対に必要なわけではないので、無理に食べさせる必要はないかもしれません。
うさぎに与えてはいけない食品
うさぎは非常に敏感な消化器系を持っているため、食事には特に注意が必要です。
間違った食品を与えると、健康問題を引き起こす可能性があります。
ここでは、うさぎに与えてはいけない食品について詳しく説明します。
有毒な野菜と果物
うさぎにとって危険な野菜と果物がいくつか存在します。
例えば、アボカドはペルシンという毒素を含んでおり、うさぎに与えると呼吸困難や心臓疾患を引き起こす可能性があります。
ジャガイモやトマトの芽や緑色の部分も同様に、ソラニンという毒素を含むため、絶対に与えてはいけません。
また、果物の種には、うさぎにとって有毒なシアン化合物が含まれていることがあるので、くだものを提供する際は基本的に種は取り除きましょう。
人間用に加工された食品
人間の食品、特に加工された食品や乳製品、高糖質の食品は、うさぎにとって非常に危険な食品です。
チョコレート、アイスクリーム、パンなどは、うさぎの消化器系を破壊し、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
また、うさぎは乳糖を分解する能力がないため、乳製品を消化することができません。
飼い主さんがパンやお菓子を食べていると、うさぎが興味津々で近づいてくることがありますが、間違っても食べさせないようにして下さい。
万が一、これらの食品をうさぎが食べてしまった場合は、大至急で病院を受診しましょう。
有毒植物
室内や庭には、うさぎにとって有害な植物が存在することがあります。
例えばアジサイやラベンダー、アマリリス、ガジュマルなどは人気の観賞用植物なので、室内や庭にあるご家庭は多いでしょう。
しかし、これらをうさぎが摂取すると中毒を引き起こす可能性があります。
部屋んぽの際や庭に自由に出入りさせる場合は、これらの植物が無いことを事前に確認して、うさぎが触れないようにすることが重要です 。

うさぎの健康を守るために安全でない食品や植物を避けることは、飼い主さんの責任と言えます。安全な食事管理は、愛するうさぎの健康と幸せを保つための第一歩です。
うさぎが絶対に食べてはいけない食品 | ||
ネギ類(ニラ・ニンニク) | アボカド | ナッツ類(落花生、ひまわりの種など) |
玉ねぎ | ゴボウ | じゃがいもの芽と皮、本体 |
エン麦 | 里芋 | 生の豆類 |
チョコレート | 菓子類 | カフェイン |
乳製品 | アルコール | 小麦粉(多量) |
香辛料 | パン | etc. |

基本的に人間用に加工されている食品はうさぎに対して、ほぼNGです。室内飼育の場合は、観葉植物を食べないように注意が必要です。
市販のおやつの注意点!
うさぎ用のおやつにはビスケットタイプやフリーズドライの野菜が多く見られますが、これらの商品選びには注意が必要です。
特にビスケットタイプのおやつの場合、主成分を確認することが重要です。
小麦や糖類が多く含まれている場合、うさぎに与えるのは避けた方が良いでしょう。
うさぎの消化器官は穀物を消化しにくく、小麦粉が含まれる食品を摂取すると、腸の活動が低下しガスが溜まるリスクがあります。
さらに、小麦粉は消化器官内で膨張し腸閉塞を引き起こす可能性があります。
これに加えて、高カロリーな食品は肥満のリスクも高めます。
一方で、フリーズドライの野菜についても注意が必要です。添加されている糖類の有無を確認しましょう。
糖類はうさぎの消化器官で適切に消化されず、消化不良やガスの蓄積を引き起こす可能性があります。
さらに、虫歯や糖尿病、肥満へとつながるリスクがあるため、過剰な摂取は避けるべきです。
適切なうさぎ用おやつを選ぶ際には、これらの点に注意しください。
新しい食品のうさぎへの導入方法
うさぎは敏感な消化器系を持っているため、新しい食品を導入する際には慎重に行う必要があります。
新しい食品をうさぎの食事に取り入れる際の手順と注意点について説明します。
ステップ1: 小量から始める
新しい食品を導入する際は、まず少量から始めてください。
最初はその食品の1/4量から1/2量を与え、うさぎの体がそれに慣れるかを観察します。
新しい野菜や果物を導入する場合、特に注意が必要です。
ステップ2: 徐々に量を増やす
最初の数日間は少量を維持し、うさぎがその食品をうまく消化していることを確認してから、徐々に普通の量まで増量します。
この過程は通常、一週間から10日かかることがあります。
ステップ3: 監視と評価
新しい食品を導入する間、うさぎの反応を注意深く監視することが重要です。
特に便の状態や活動レベル、食欲などの変化に注意し、何か異常が見られた場合はすぐに導入を中止し、獣医師に相談してください。
導入時の注意点
- アレルギーの確認: 新しい食品がうさぎにアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、導入初日から様子を見ることが大切です。
- 食品の新鮮さ: 新鮮で質の高い食品を選ぶことが重要です。古いものや品質の低い食品は消化不良や健康問題の原因になります。
- 多様性を持たせる: うさぎの食事に多様性を持たせることで、栄養バランスを改善し、食べる楽しみも提供します。

新しい食品を提供した後は、『便の状態』や『活動性の変化』『食欲の状態』をしっかりと見守り・確認しましょう。
まとめ
本記事では、うさぎが食べても良い野菜・くだものと食べてはいけない食品を紹介してきました。うさぎの健康を守るためには、適切な食事管理が非常に重要です。
うさぎは繊細な消化器系を持っており、食べ物の質によってその健康状態が大きく左右されます。基本的には、牧草を主食にして不足する栄養をペレットで補う形になりますが、おやつとして野菜や果物を提供するのは問題ありません。
ただし、すべての野菜やくだものを食べて良いわけではありません。
うさぎにとって、有害な食品も数多く存在するため、うさぎに食べ物を提供する前にしっかりと調べる癖をつけておきましょう。
ポイントを踏まえ、うさぎの食事管理を適切に行うことで、愛するペットの健康と幸福を守ることができます。
適切な知識と注意をもって、日々のケアを心がけましょう。