ピーマンはモルモットに安全？与える量と栄養バランスを徹底紹介！

暖かくなり、スーパーではピーマンの特売が見られるようになってきました。

筆者の近所のスーパーでは、一袋に5つ入ったピーマンが税込98円ほどで販売されていることも珍しくありません。

そんな、今の時期に安価で手に入れられるピーマン…。

モルモットがおやつとして食べることができれば、ピーマンが旬の季節の間だけでも、おやつ代の節約が期待できます。

そこで気になるのが、「あの苦味、モルモットに与えても大丈夫なのかな？」と不安になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

特にモルモットは体が小さく、食べ物の影響を受けやすいため、与えてよい食材かどうかは事前にしっかり確認しておきたいものです。

本記事では、「モルモットにピーマンは与えてもいいのか？」という疑問に対して、栄養価・適量・注意点などをわかりやすく解説していきます。

モルモットはピーマンを食べても大丈夫？

結論から言えば、「モルモットはピーマンを食べても大丈夫です。」

むしろ栄養面から見ると、ピーマンはモルモットにとって優秀なおやつだと言えます。

この理由は、ピーマンのなかにモルモットの健康維持に必要なビタミンCが豊富に含まれているためです。

また、低カロリーなのでダイエット中やシニア期のモルモットのおやつにも適しています。

ただし、独特の香りや苦みがあるため、すべてのモルモットが好んで食べるとは限りません。

そのため、初めて与える場合は少量から試して、食べ方や体調の変化を確認することをおすすめします。

ピーマンに含まれる栄養とその効果

ピーマンはモルモットが食べられる野菜ですが、「どのような栄養が含まれているのか？」と気になる方も多いのではないでしょうか。

モルモットに与える食材の栄養価を把握しておくことは、健康管理のうえで非常に重要です。

ここでは、ピーマンに含まれる代表的な栄養素と、その健康への効果について詳しく解説していきます。

ビタミンCの補給に最適

モルモットの健康維持に欠かせない栄養素…それが「ビタミンC」です。

モルモットは人間と同じように、体内でビタミンCを合成することができません。

そのため、毎日の食事から「ビタミンC」を、しっかりと摂取する必要があります。

ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれており、特に「赤ピーマンには緑ピーマンの2倍以上のビタミンCが含まれている。」というデータもあります。

かわいいモルちゃんの免疫力を維持して、健康を保つためにも、ピーマンは非常に優秀なビタミンCの供給源と言えるでしょう。

他にもある！注目の栄養素

ピーマンには、ビタミンC以外にも健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。

たとえば、βカロテンには抗酸化作用があり、老化の予防や皮膚の健康維持をサポートします。

また、ビタミンEには血行を促進する働きがあるので、寒い季節や高齢期のモルモットの風邪予防にも期待できます。

カリウムは余分な塩分を体外に排出する働きがあり、むくみや高血圧の予防にも有効です。

さらに、腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれているため、便秘がちなモルモットには特におすすめの食材です。

【赤ピーマンと緑ピーマンの栄養比較表（生／100gあたり）】

栄養素	緑ピーマン	赤ピーマン	特徴
エネルギー	22 kcal	30 kcal	赤ピーマンは若干カロリーが高め
水分	93.4 g	90.5 g	両方とも水分が多く、みずみずしい
ビタミンC	76 mg	170 mg	赤ピーマンは緑の約2.2倍
βカロテン	400 μg	1100 μg	赤ピーマンはカロテンも豊富
ビタミンE（α）	0.8 mg	4.3 mg	赤ピーマンはビタミンEも多い
食物繊維	2.3 g	2.1 g	どちらもほぼ同等
カリウム	190 mg	210 mg	赤ピーマンがやや多め
カルシウム	7 mg	7 mg	どちらも同じ
鉄	0.4 mg	0.3 mg	わずかに緑が上

引用元：文部科学省『日本食品標準成分表2020年版（八訂）』
公開ページ：文部科学省｜食品成分データベース

ピーマンを与える際の注意点

前述のとおり、ピーマンはモルモットにおすすめの野菜ですが、与え方を間違えると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に与える量には注意が必要で、食べ過ぎるとお腹を壊してしまう原因になることもあります。

また、ピーマン特有の苦味や、農薬の残留も考慮しなければなりません。

ここでは、モルモットにピーマンを与える際の適切な量や、事前に行いたい下処理のポイントについて解説していきます。

適量の目安と与え方

健康に良いといっても、与えすぎは禁物です。

モルモットが1日に食べても安全なピーマンの量は、体重や年齢にもよりますが、大体5〜10g（小さじ1〜2杯程度）が目安とされています。

この量は、ほかの野菜と組み合わせておやつとして与えることを前提とした目安です。

モルモットの主食は、あくまでチモシーです。チモシーやペレットを主食として与えたうえで、補助的にピーマンを与えるようにしましょう。

ピーマンばかりを与え続けていると、チモシーを食べなくなったり、偏食の原因になることがあります。

おやつとして提供する際は、にんじん・小松菜・チンゲン菜など、ほかの野菜と組み合わせて、バランスのとれたおやつにしてあげましょう。

下処理と与える際のコツ

ピーマンを与える際には、必ず種・ワタ・ヘタを取り除いてください、

これらの部分は消化に負担をかけるおそれがあり、モルモットがお腹を壊す原因になることがあります。

ピーマンの切り方に厳密な決まりはありませんが、モルモットが食べやすい形にカットしてあげると良いでしょう。

特に、野菜に慣れていない子モルや、シニア期のモルモットに与える場合は、食べやすい大きさや薄さを探してみて下さい。

また、できるだけ無農薬のものを選ぶか、しっかり水洗いして農薬や汚れを落とすことも大切です。

加熱の必要はありませんが、「生のままだと苦味が強くて食べない…」という場合は、軽く蒸すことで柔らかくなり、香りもやわらぎます。

ピーマンが苦手なモルモットもいる？

モルモットはとてもグルメで、個体ごとに味の好みに強いこだわりがある動物です。

中には、ピーマン特有の香りや苦味を嫌がって、まったく口をつけない子もいます。その場合は、無理に食べさせる必要はありません。

好みに合わない野菜を無理やり与えると、食事への興味を失ってしまう危険があるため、絶対に避けましょう。

ご自宅のモルちゃんがピーマンを食べないようであれば、パプリカやブロッコリー、ケールなど、他のビタミンCが豊富な野菜で代用しても良いかもしれません。

また、赤ピーマンは緑ピーマンよりも甘みが強いため、赤ピーマンなら食べてくれる場合もあります。

我が家のモルモットは？

筆者の家では、モルモットを3匹飼育していますが、どの子もピーマンを喜んで食べてくれます。

与える前には、ピーマンをよく洗い、モルモットにとって害になりやすいヘタ・種・ワタを丁寧に取り除き、細切りにしてからしばらく水にさらしています。

少し手間はかかりますが、3匹が奪い合うようにして食べる姿を見ると、その苦労も吹き飛んでしまいます。

ただ、とうもろこしの皮と同じく、ピーマンも与え続けると永久に食べ続けてしまうため、1匹につき1カットずつ手渡しで与えるか、小さめにカットしてお皿に入れるようにしています。

まとめ

本記事では、モルモットにピーマンを食べさせても大丈夫な理由や、ピーマンに含まれる栄養素、与える際の注意点について解説しました。

ピーマンはビタミンCをはじめ、モルモットの健康維持に役立つ栄養素を豊富に含んでいる非常におすすめな野菜です。

特に赤ピーマンは栄養価が高く、甘みもあるため、緑ピーマン特有の苦味が苦手な子でも食べやすいかもしれません。

とはいえ、食べすぎや与え方を誤ると体調を崩す原因になることもあります。

そのため、モルモットにピーマンを提供する量はしっかり調整し、清潔で新鮮なものを与えることが大切です。

また、ピーマンの表面に汚れや農薬が付着している可能性があるため、しっかりと水洗いをして下さい。

ご自宅のモルちゃんのおやつとして与えてみては如何でしょう。

モルモットの健康と食の楽しみを両立させるために、ぜひ日々の食事にピーマンを上手に取り入れてみてください。

参考文献

1. National Research Council. (2006). Nutrient Requirements of the Guinea Pig. Washington, DC: National Academies Press. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK231932/
2. GuineaDad. (n.d.). Can Guinea Pigs Eat Bell Peppers?. Retrieved June 28, 2025, from https://www.guineadad.com/blogs/news/guineadad-food-blog-can-guinea-pigs-eat-bell-peppers

※本記事の情報は筆者の飼育経験に加え、以下の獣医学的・飼育ガイドラインに基づいて作成しています。