「これなんだ?」と、モルモットのブラッシングや健康チェックでお尻周りを見ていた時に、見慣れない「もやし」のような白い塊が付着していてギョッとしたことはありませんか。
パッと見た感じでは不気味な寄生虫のようにも見えますし、付着している場所が場所だけに、体の一部や内臓が飛び出してしまったのではないかと背筋が凍る思いをしますよね。
モルモット本人はケロッとして普段通りに牧草を食べていても、得体の知れない物体がお尻から生えているのを見れば、何かの病気ではないかと焦ってしまうのが飼い主心というものです。
実は、私自身も過去にうちのモルモットのお尻にこの謎の物体を発見してパニックになり、大慌てで動物病院へ駆け込んだ経験があります。
飼育書やネットを探してもなかなか同じ症状が見つからず、診察室で正体を聞くまでは生きた心地がしませんでした。
本記事では、そんな飼い主さんを驚かせるモルモットのお尻の「もやし・白い塊」の正体と、見つけた時の正しい対処法や注意点を詳しく紹介していきます。
モルモットのお尻に付く「もやし・白い塊」の正体は『膣栓』!
モルモットのお尻や陰部周辺に付着している「もやし」のような白い塊の正体は、「膣栓(ちつせん)」と呼ばれる分泌物の塊です。
本来は交尾を終えたメスの膣内に作られるもので、精子が外へ逆流するのを防いだり、他のオスが後から交尾するのを防いだりする「栓」としての役割を持っています。
ただ、モルモットのオスは日常的に発情しやすいため、メスがいない環境であっても、自分の分泌物が固まってお尻の毛や陰部、あるいはケージ内のタオルや床材にポロッと付着していることがあるのです。
我が家のオスモルのお尻で初めてこれを見つけた時は、お尻の穴と陰部の絶妙な位置にニョキッとくっついていたため、てっきり新種の寄生虫か脱腸の類だと疑い、本気で青ざめて動物病院へ連れて行きました。
獣医さんから「これは精液の成分が固まった膣栓だから、病気じゃないですよ」と教えてもらった時は、心の底からホッとしたと同時に、少し気恥ずかしい気持ちになったのを覚えています。
このように、膣栓はモルモットの自然な生理現象の結果としてできるものなので、発見しても慌てる必要はありません。本人が元気であれば、まずは落ち着いて様子を見てあげましょう。

写真は我が家のモルしゅんたのおしり!膣栓の付着場所が絶妙過ぎて寄生虫を疑いました。
寄生虫じゃない?モルモットに膣栓(ちつせん)ができる理由と見た目の特徴
初めて膣栓を目にした飼い主さんが一番驚くのは、その独特な見た目と硬さではないでしょうか。
膣栓はオスのモルモットの精嚢(せいのう)などから分泌される液体が、空気や他の分泌液と混ざることで化学反応を起こし、あっという間に固まった凝固物です。
メスの体内に精子をしっかりと留めておくための仕組みなので、ただの液体ではなく、物理的な「フタ」になるよう最初から固まりやすい性質を持っています。
色は白や乳白色、少し黄みがかったクリーム色、あるいは半透明なものが多く、形は細長いもやし状のものから、いびつな塊状のものまで様々です。
出てすぐのまだ新しい状態だと、少し弾力のあるゴムやシリコンのような感触をしていますが、時間が経って乾燥すると、乾いた木工用ボンドやプラスチックのようにカチカチに硬くなります。
表面を触ると少しペタペタしていたり、消しゴムのカスがまとまったような質感だったりするのも特徴です。
寄生虫のように自力でウネウネと動くことは絶対にありませんので、ティッシュ越しに触ってみてゴムのような塊であれば、膣栓だと判断して大丈夫です。
通常は交尾が成功した目安としてメスのお尻に見られますが、オスの場合はマスタベーション(ひとり遊び)やグルーミングの刺激で射精した後に、そのまま自分のお尻周りに付着して残ることがよくあります。

【オス・メス別】膣栓が見つかった時の対処法と取り方
メスの場合:無理に取らず自然排出を待てばOK
メスのモルモットのお尻(膣口)に膣栓が詰まっているのを見つけた場合は、基本的に人間が手で取り除く必要はありません。
メスの体内に作られた膣栓は、交尾から数時間、長くても丸1日から2日ほど経てば、膣内の自浄作用や動きによって自然と体外へポロッと排出される仕組みになっています。
ケージの床材やペットシーツの上に、いつの間にか乾いた白い塊が落ちているのを後から見つけるケースがほとんどです。
もしお尻から少し頭が出ている状態で見つけたとしても、指やピンセットでつまんで無理やり引き抜こうとするのは絶対にやめてください。
膣栓は内部の形に合わせて隙間なく固まっているため、乾いた状態で引っ張るとデリケートな膣の粘膜を擦りむいてしまい、出血や細菌感染を引き起こす原因になってしまいます。
メス本人が普段通りにご飯をよく食べ、機嫌よく過ごしているのであれば、無理に触らず自然に出てくるのをそのまま待ってあげましょう。
どうしてもお尻周りの汚れが気になる場合でも、完全に外へ出て毛先にぶら下がっているものだけを優しく取り除く程度に留めておくのが安心です。
オスの場合:お尻の毛や陰部にこびりついた時のケア方法
オスのモルモットの場合、タオルや床材の上に落ちている膣栓を見つけたのであれば、そのままティッシュ等でつまんで捨ててしまえば何の問題もありません。
少し厄介なのは、射精した後の分泌物が自分のお尻の毛や陰部周辺にべったりとくっつき、そのまま乾燥してカチカチに固まってしまったケースです。
お尻の毛に絡みついて固まっている時は、そのまま引っ張ると毛が抜けて痛がるため、人肌に温めたぬるま湯をコットンやガーゼにたっぷり含ませ、塊を優しく包み込むようにして数分間ふやかしてあげましょう。
水分を吸って柔らかくなれば、毛を引っ張らずにスルッと拭き取ることができます。
もし長毛種などで毛先の方に塊がついているだけなら、皮膚を切らないように指で根元をガードしながら、塊ごと毛先を少しだけハサミでカットしてしまうのも手早く済む方法です。
ただし、お尻の毛ではなく「ペニス(陰部)の先」に直接膣栓がこびりついている場合は、より慎重な対応が求められます。
無理に剥がすと陰部の粘膜を傷つけるため、ぬるま湯で湿らせて簡単に取れないようであれば、自宅で深追いせずに動物病院で処置してもらう方が安全です。
こんな時は動物病院へ!膣栓で受診すべき危険なサイン
膣栓は健康なモルモットに見られる生理現象とはいえ、付着した場所やその後の経過によっては、動物病院で獣医さんに診てもらわなければならないケースもあります。
特にオスの飼い主さんに一番気をつけていただきたいのが、「ペニスに膣栓がくっついたまま、皮の中に戻らなくなっている状態」です。
普段、オスのペニスは皮(包皮)の中に収納されていますが、そこに硬い膣栓や抜けた毛が絡みつくことで、うまく中に引っ込まなくなってしまうことがあります。
ペニスが外に出っぱなしになると、乾燥して赤く腫れ上がったり、床材と擦れて炎症を起こしたりするほか、おしっこの通り道を塞いでしまう危険もあります。
また、メスの場合でも、何日も膣栓が排出されずに残っていて、お尻を頻繁に気にして噛もうとしたり、おしっこをする時にキュウキュウと痛そうに鳴いたりする場合は要注意です。
陰部周辺が赤く腫れている、出血がある、あるいは膿のようなひどい悪臭がするといった症状が見られる時は、細菌感染や別の泌尿器系トラブルが隠れている可能性があります。
「ただの膣栓だから大丈夫」と自己判断せず、少しでも普段と違う様子や違和感があれば、早めに小動物を診られる動物病院を受診してください。
判断に迷う場合は、病院を受診すると間違いがありません。
モルモットの膣栓に関するよくある質問(Q&A)
オス1匹(単独飼育)でメスはいないのに膣栓が出るのはなぜ?
原料はすべて「オスの精液や分泌液」だからです。メスがいなくても、オスのモルモットは日常的に発情します。ひとり遊び(マスタベーション)や毛づくろいの刺激で射精した際、分泌液が空気に触れて固まり、お尻や床材に残ります。「膣栓」という名前ですが、実際はオスの分泌物が固まったものなので、1匹飼いの元気な証拠でもあり心配いりません。
モルモットが取れた膣栓を食べてしまいました!害はありますか?
食べてしまっても健康上の害はありません。主成分はオスの体内で作られたタンパク質などの分泌物なので、毒になる成分は含まれていないからです。モルモットには自分の盲腸便を食べる「食糞」の習性があり、お尻の毛づくろいのついでに食べて処理するのは自然な行動です。無理に口から取り出さず、そのまま見守って大丈夫です。
塊から独特の強い臭いがするのですが、病気でしょうか?
膣栓自体はほぼ無臭ですが、お尻の「臭腺」や「会陰嚢(えいんのう)」の分泌物と混ざることで強い臭いがすることがあります。オスの会陰ポケットには独特のにおいを持つ皮脂や排泄物の汚れが溜まりやすいため、そこを通って固まることで発酵したような臭いが移るのです。お尻が赤く腫れたり膿が出たりしていなければ病気ではありません。
どれくらいの頻度で出ますか?頻繁に出ても大丈夫?
個体差や年齢によりますが、週に数回出す子もいれば、数ヶ月に1回、あるいは一生見かけない子もいます。本人が元気で食欲があり、体重減少や陰部の炎症がなければ頻繁に出ていても問題ありません。ただし、急にお尻を頻繁に気にする素振りが増えたり、塊に血が混じったりする場合は、尿路トラブルや炎症の可能性があるため動物病院を受診してください。
まとめ
本記事では、モルモットのお尻に付着する「もやし」のような白い塊、膣栓(ちつせん)について解説してきました。
初めてご自宅のモルモットの陰部やお尻にこの塊がくっついているのを見たら、寄生虫や内臓の病気に見えてしまい、心臓が止まるほど驚くと思います。
私自身、最初に発見した時はあちこち調べても情報が見つからず、最悪の事態を想像しながら動物病院へ駆け込みました。
しかし、正体が「オスの分泌物が固まった自然なもの」だとわかってからは、見つけても「お、今日も元気だな」と落ち着いて対応できるようになりました。
膣栓は出るタイミングや乾燥具合によって形や硬さが変わるため、もし発見して判断に迷った時は、まずモルモット自身の食欲や機嫌、排泄の様子を観察してみてください。
普段通りに元気であれば、無理に引っ張ったりせず静観するのが一番です。
ただし、オスの陰部に絡まって皮の中に戻らなくなっている場合や、本人が痛がる・赤く腫れているといった異常が見られる時は、迷わず動物病院を受診して獣医さんに処置してもらいましょう。
正しい知識を持っておくことで、いざという時も焦らずご自宅のモルちゃんの健康を守ってあげてくださいね。