モルモットをお迎えして少し経ち、毎日のお世話にもすっかり慣れてきた頃…。
ふとケージの中でポツンと過ごす我が子の姿を見て、「この子、1匹だけで寂しくないかな?」「もう1匹お友達をお迎えしてあげたほうが幸せなのかな?」と悩むことはありませんか?
SNSなどで、モルモット同士が寄り添って眠ったり、仲良く牧草を食べていたりする愛らしい姿を見ると、多頭飼いへの憧れもぐっと膨らみますよね。
もともと群れで暮らす生き物であるモルモットにとって、仲間の存在は心身に大きなメリットをもたらします。
しかしその反面、命が増えるということは、毎月の費用やスペースの負担、決して無視できない相性の問題など、現実的な課題としっかり向き合う必要もあります。
この記事では3匹のモルモットと暮らしている多頭飼い歴3年の筆者が、多頭飼いのリアルなメリット・デメリットから、失敗しないお見合いの手順まで解説します。
これからモルモットを増やすべきか迷っている方が、ご自身の生活環境と照らし合わせながら、一番幸せな選択をするための参考になれば幸いです。
この記事で分かること
- 1匹だと寂しい?モルモットに多頭飼いは必要か
- リアルな費用や苦労も!メリットとデメリット
- 多頭飼いが向いている人・1匹飼いのままが良い人
- 失敗しない!お迎えの準備とお見合い手順
- 多頭飼いならではの毎日の健康チェックリスト
モルモットに多頭飼いは必要?「1匹だと寂しい」は本当か

結論から言ってしまうと、「絶対ではありませんが、モルモットの多頭飼いは意味のある行為」です。
野生のモルモットは仲間と群れを作り、鳴き声や匂い、体の触れ合いを通してコミュニケーションを取りながら生活しています。
そのため、周囲に同じモルモットがいることは、彼らにとって大きな安心材料になります。
スイスの動物保護法では、モルモットのような社会性の高い小動物を1匹だけで飼育することは原則禁止されており、必ず2匹以上で飼うように定められているほどです。
日本にはそういった法律はありませんが、「1匹だけで飼われることによる孤独やストレス」を減らすという意味で、仲間の存在はモルモットの心身に良い影響を与えてくれます。
1匹だけで長期間飼育されていると、個体によっては活動量が落ちたり、鳴く回数が減ったりと、少し元気をなくしたような様子が見られることがあるそうです。
逆に、相性の良い仲間と一緒に暮らせるようになると、ケージの中をよく走り回るようになったり、ポップコーンジャンプをする回数が増えたりと、行動がいきいきしてくることが報告されています。
実際に我が家でも、1匹で飼っていたときにはおとなしく引っ込み思案だったモルモットが、後輩モルモットを迎えた後から、積極的に後輩モルのお世話を焼き始めるという変化が見られました。
モルモットを多頭飼いするメリット

【メリット1】心が安定し、行動がいきいきしてくる
多頭飼育の大きなメリットは、モルモット同士で社会的な刺激を受けながら生活できる点です。
互いにグルーミングし合ったり、同じ場所で眠ったりと、1匹では見られない姿が自然と増えていきます。
不安が軽減されることで食欲が安定し、全体的な健康状態が良い方向に向かうことも少なくありません。
臆病な性格の子でも、リラックスしている先住モルにつられて環境に慣れていくなど、仲間の存在が「安心のモデル」になってくれます。
前述しましたが、我が家のモルモット「ひより」は元々、引っ込み思案な性格だったことに加え、相棒だった「こはる」が病気で虹の橋を渡ってしまってからは、ハウスに引きこもり気味になってしまいました。
私自身、ペットロスで落ち込んでいたので縁があった2匹のモルモット「しゅんた」と「小梅」を新たにお迎えすることにしました。
すると、すっかり元気をなくしていた「ひより」が新入りモルを見た途端、ハウスから出てきて匂いを嗅ぎ始めたのです。
小梅としゅんたもひよりに興味を示し、お互いにすぐに打ち解けてくれました。
その後もひよりは、小梅としゅんたに我が家のおやつの時間や掃除のはじまるタイミングを指導してくれ、その結果、2匹は我が家の環境にもすんなりと馴染むことができたのです。
【メリット2】比較することで体調の変化に気づきやすくなる
モルモットは体調が悪くてもギリギリまで我慢してしまう動物なので、ちょっとした変化に気づきにくいことがあります。
しかし複数匹いると、「いつものその子」だけでなく「他の子と比べてどうか」という視点を持てるようになります。
いつもは一緒に牧草を食べているのに1匹だけ来ない、他の子より隅でじっとしている時間が長いといった小さな異変に気づきやすくなるのは、多頭飼いならではの強みといえるでしょう。
体重の変化などと合わせて観察することで、病気の悪化を防ぐ大切な気づきに繋がります。
【メリット3】モル同士のやり取りを見て癒される
並んで牧草を食べる様子や、狭い隠れ家にぎゅうぎゅうに入り込んで眠っている姿など、見ているだけで思わず笑顔になってしまう場面が日常的に生まれます。
いくら人間がなでたり話しかけたりしても、モルモット同士の絆ややり取りはやはり別物です。
モルモットたちが作り出す小さな世界をそっと見守る時間は、飼い主さんにとっても最高に癒されるひとときになるでしょう。
後悔しないために!モルモット多頭飼いのデメリットと負担

モルモットを多頭飼いすると、メリットもありますが当然デメリットも存在します。
デメリットを把握せずに勢いで多数のモルモットを迎え入れて、対応しきれずに困ることも珍しくありません。
飼い主さんとモルモットの負担を避けるために、ここでは、モルモットを多頭飼育することで発生するデメリットを紹介します。
【費用】毎月の食費や医療費は2倍以上に増える
頭数が増えれば、そのぶん確実に費用がかかります。
毎月の牧草やペレット代、ペットシーツなどの消耗品は単純に倍以上に増えていきます。
一見少額に見える消耗品も、積み重なれば大きな出費です。
そして絶対に忘れてはいけないのが動物病院の費用です。ちょっとした不調でも1回の受診で数千円から1万円程度かかることは珍しくありません。
感染症などの場合、多頭飼育ではその負担が一気に膨らむ可能性もあるため、日常的に医療費の積み立てをしておく余裕が必要になります。
我が家では、ひよりだけを飼育している時は、フードが約1,350円 〜 2,250円、牧草が約 1,090円 〜 2,180円くらい1ヵ月でかかっていたのですが、3匹になるとフードが約4,050円 〜 6,750円、牧草が約 3,270円 〜 6,540円ほどになりました。
そこにおやつの野菜の費用が1ヵ月で約10,000~15,000円加算されるので、3匹飼育の場合は、食費だけでも20,000~30,000円ほどかかることになります。
医療費については、モルモットの「しゅんた」とうさぎの「きなこ」が同時に病気になったことがあるのですが、1回の受診で2匹合わせて1万円近くの費用が必要になったので、かなりきつかったです。
病気や怪我は起きない時は、まったく起きませんが、1度起きると立て続けに起きたり、数匹まとめて発症したりするので多頭飼育の場合は、保険に加入するか、日頃からペット用に積み立てをしておいた方が良いでしょう。
【掃除とスペース】ケージを分ける・広くする場所の確保

モルモットはよく食べてよく排泄するため、ケージが汚れるスピードも速くなります。
毎日の掃除や牧草の補充、ブラッシングなどのケアにかかる時間や手間は頭数分増えていきます。
また、快適に過ごしてもらうためのスペース確保も課題です。日々の掃除やお世話を「負担」と感じやすい場合、多頭飼育はかなり大変に感じてしまうかもしれません。
我が家の場合は、モルモット用のスペースを広めにとっていたので、快適に過ごせていたとは思うのですが毎日の掃除がそれなりに大変でした。
ケージ内の床に敷いているマイクロファイバーバスマットを交換し、牧草や排泄物の除去、フードや水の入れ替えをすべて片付けるのに、概ね1時間ほどかかっていました。
それに、汚れたバスマットやタオルの洗濯も入るのでさらに30分ほどが追加で必要な時間となります。
また、ケアに関しては単純に3倍の時間がかかるわけではない点に注意する必要があるでしょう。
3匹のモルモットのケアをするにあたり、ブラッシングや排泄物の確認はそれほど手間ではなかったのですが、問題はつめ切りとシャンプーでした。
ひよりとしゅんたはつめ切りが嫌いで、私の指に噛みついてくるので、頑張って噛みつきをかわしながらつめを切ったものです。
小梅は、つめ切りは大丈夫ですがシャンプーが苦手で、お湯を感知すると洗面台から飛び出していこうとするので、とても気を使いました。
このように、モルモット毎に苦手なケアがあるため、悪い言い方をすると想像以上に手間がかかることを覚えておきましょう。
私は、日々のお世話自体は苦にならなかったのですが、仕事で疲れていると3匹のケアを完璧に毎日実施するのはさすがにムリでした💧最終的にブラッシングは日替わりでローテーションして、つめ切りは1ヵ月に一度休日に3匹まとめて~のようなかたちに落ち着きました。
【ケンカと相性】オス同士の多頭飼いは難しい?ケージを分ける覚悟も
多頭飼いにおいて避けて通れないのが相性の問題です。
特にオス同士は縄張り意識や序列争いからケンカに発展しやすく、難易度が高い傾向にあります。低い声でうなったりマウントを取る程度ならまだしも、流血沙汰の深刻なケンカになることもあります。
一度関係がこじれると同居は難しくなり、最悪の場合は「一生ケージを分けて、部屋んぽも交代制にする」という覚悟も必要です。
「絶対に仲良くしてくれるはず」と期待しすぎないことが大切です。
我が家では、大きなケンカは起きませんでしたが、動画やSNSを見ていると流血するまでケンカしているモルもいるみたいなので、相性の確認と対策はとても重要になります。
【注意点】モル同士が仲良くなり、飼い主との距離が遠くなる寂しさ
意外と見落とされがちですが、モルモット同士の仲が良くなることで、飼い主さんとの距離感が少し遠く感じられるようになることがあります。
1匹飼いの頃は飼い主さんにべったり甘えてくれていた子でも、仲間ができると「モルモット同士の世界」を優先するようになるのは自然なことです。
我が家の場合「ひより」は、私に懐いてくれていて、結構、甘えてくれていたのですが「小梅」と「しゅんた」をお迎えしてからは、自分から私に近づいてくれることがほとんどなくなりました。
その分、後輩2匹のお世話に時間を割いているというか、モルモット3匹だけの社会を構築してしまっているというか、何とも言えない微妙な距離感が生まれてしまい飼い主的にはとても寂しい気持ちになったものです。
ただ、モルモット同士で関わり合っていても、ご飯やおやつの際には私に向かって「プイプイ」と鳴き声をあげてアピールしながら駆け寄って来るので、私とモルモットの関わりがまったくなくなるわけではありません。
私は、寂しさがMAXになるとモルが3匹で集まってプイプイしているところに突撃して寝そべったりしていました。モル達も意外と優しく受け入れてくれていました。
モルモットの多頭飼いが向いている人・1匹飼いのままが良い人
ここまでお伝えしたメリットとデメリットを踏まえ、ご自宅がどちらに向いているか考えてみましょう。
現在の1匹のお世話が無理なくできており、金銭的・スペース的な余裕があること。そして何より「モルモット同士が仲良くしている姿を眺めるのが楽しみ」と思える方は多頭飼いに向いています。
一方で、今の状態でお世話の時間がギリギリだったり、「今いるこの子ともっと関係を深めたい」という思いが強いのであれば、あえて多頭飼いは選ばず、1匹との時間を充実させるのが正解です。
スイスと違い、法的な縛りがない日本での飼育であればモルモットの数を無理に増やさないというのも、立派な愛情の形です。
近年の物価上昇を考えると、1匹のモルモットに全力で愛情を注ぐ方が良いのかもしれません。我が家では、お金が厳しくなると人間の食費を削ってモルの野菜を購入していますが、正直、健全とは言えませんね💧
失敗しないモルモット多頭飼いの始め方・お見合い手順
オス同士・メス同士など、性別と頭数の組み合わせを考える
一般的に、メス同士やメスの親子は比較的トラブルが少ないと言われています。
オス同士は相性が良ければ問題ありませんが、思春期などにケンカが増えるため慎重な観察が必要です。
また、オスとメスを一緒に飼育する場合は、望まない繁殖を防ぐために必ず去勢・避妊手術を行いましょう。
モルモットは繁殖力が強いため、未手術での同居は厳禁です。
モルモットの去勢手術をできる動物病院が意外と少ない点に注意が必要です。私の住む地域では、3か所の病院に拒否されました。
2匹同居に必要なケージの広さとレイアウト


2匹を同じケージで飼う場合、最低でも1平方メートル程度のスペースがあると安心です。
狭いケージに押し込んでしまうと、逃げ場がなくなってストレスが溜まり、ケンカや病気の原因になります。
それぞれが落ち着ける隠れ家やトンネルを複数置き、お互いが必要に応じて距離を取れるようなレイアウトを工夫してあげることが大切です。
正直なところ広すぎて困ることはないので、できるだけ広いケージを用意してあげてください。
先住モルと新入りの対面手順!最初は別ケージから
新入りさんをお迎えしたら、いきなり先住モルと一緒にするのは危険です。
まずは別々のケージで生活させ、お互いの匂いや鳴き声に慣れさせながら健康状態をチェックする期間を設けます。
その後、ケージを近づけて様子を見て落ち着いていれば、どちらの縄張りでもない「中立地帯」で短時間の対面から始めましょう。
我が家の場合は、前述したように先住モルのひよりの受け入れがとても良かったこともあり、「中立地帯」での対面期間はほとんどありませんでした。
小梅としゅんたをお迎えして2~3日ほどは、健康状態の確認のためにひよりとは別のケージで過ごしてもらいましたが、それ以降は3匹一緒のケージで飼育していました。
同じケージで過ごすようになってからも、ひよりが積極的に後輩2匹のお世話をしてくれ、小梅としゅんたもそれに従っていたので、私はそれまで通りに掃除や食事・おやつの提供を続けることができました。
多頭飼育だからこそ気をつけたい!毎日の健康チェックリスト
多頭飼育では、複数のモルモットを同時にお世話することになるため、「全体の様子」と「1匹ごとの様子」の両方を見ることが求められます。
日常的には、目がきれいに開いているか、目やにや濁りがないかを確認しましょう。
耳の中が赤くなっていないか、黒っぽい汚れが溜まっていないかもチェックポイントです。
呼吸の状態にも注意し、ゼーゼー・ピーピーといった異音が続く場合には、呼吸器のトラブルが隠れている可能性があります。
モルモットの歯は一生伸び続けるため、よだれが増えたり、食べ物を口からこぼす様子がないかにも気をつけたいところです。
皮膚や被毛についても、脱毛やフケ、赤み、かさぶたなどがないかを定期的に確認しましょう。
そして何より大切なのが、食欲と排泄の観察です。モルモットは本来、一日のほとんどを「少しずつ何かを食べている」動物です。
食べる量が急に減ったり、ウンチが極端に小さくなったり、形が崩れたりした場合には、体調不良のサインと考えられます。
特に8時間以上ほとんど何も食べていない状態が続くと、命に関わる危険があるため、早急に動物病院への相談が必要です。
また多頭飼育では、じゃれ合いと本気のケンカを見分けることも重要です。
追いかけっこや軽いマウント程度でお互いに引く様子がある場合は、遊びや軽い力関係の確認であることが多いです。
しかし、一方的に追い詰め続ける、毛がごっそり抜ける、流血する、悲鳴のような鳴き声が続くといった様子が見られる場合は、本気のケンカと判断してすぐに引き離す必要があります。
| 完了 | 確認箇所 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 目 | きれいに開いているか(目やにや濁りがないか) | |
| 耳 | 中が赤くなっていないか、黒っぽい汚れが溜まっていないか | |
| 呼吸 | ゼーゼー・ピーピーといった異音が続いていないか | |
| 口・歯 | よだれが増えていないか、食べ物を口からこぼす様子がないか | |
| 皮膚・被毛 | 脱毛、フケ、赤み、かさぶたなどがないか | |
| 食欲 | 食べる量が急に減っていないか ※8時間以上絶食している場合は早急に動物病院へ! |
|
| 排泄 | ウンチが極端に小さくないか、形が崩れていないか | |
| 関係性 (多頭飼い) |
本気のケンカ(一方的な追い詰め、毛がごっそり抜ける、流血、悲鳴のような鳴き声)がないか |
個人的には鼻の高さ比べや鼻で相手をつつく、ヘッドバットくらいであれば遊びと捉えますが、歯を使った攻撃や日頃聞かないような大きく甲高い声で威嚇をはじめたら「マズい」と判断します。
モルモットの多頭飼いに関するよくある質問(Q&A)
オスとメス、どちらの多頭飼いが成功しやすいですか?
メス同士の方が縄張り意識が低く、比較的同居が成功しやすい傾向にあります。オス同士は発情期などに激しいケンカになりやすく、難易度が高めです。
先住モルと年齢差があっても大丈夫ですか?
大人の先住モルに対して、子どものモルモットを迎える形の方が、力関係がはっきりしやすく、すんなり受け入れられることが多いです。
ケンカしてしまったら、もう一生一緒にできないのでしょうか?
噛みついたり流血するほどの本気のケンカをしてしまった場合は、安全のためにケージを分けるのが基本です。ただし、部屋んぽの時だけ飼い主さんの監視下で一緒に遊べる関係になることもあります。
オスとメスで多頭飼いしたいのですが…
繁殖を希望しない場合は、必ずどちらか(できればオス)の去勢・避妊手術が必要です。モルモットは繁殖力が非常に高いため、未手術での同居は絶対に避けてください。
まとめ:多頭飼いも1匹飼いも、どちらも素敵な選択
この記事では、モルモットを多頭飼育することで発生するメリットとデメリットを解説しました。
モルモットの多頭飼育には、仲間がいることで心身が安定しやすくなるという素晴らしいメリットがあります。
その一方で、費用や手間、ケージを分ける覚悟など、現実的な負担も間違いなく増えます。
大切なのは「なんとなく増やしたい」ではなく、ご自身の生活リズムや経済状況、そして今一緒に暮らしているモルモットの性格をしっかり考えたうえで決断することです。
モルモット同士の世界を楽しむ多頭飼いも、1匹とじっくり向き合う飼育も、どちらも素敵な選択です。
あなたとモルモットたちにとって、一番心地よいスタイルを見つけてくださいね。